Neil Youngの新譜。Chrome Dreams II
ニールヤングは基本としてシンガーソングライター+ダウントーアースなスワンプ系ロックがコアにあることは間違いないと思うのだけれど、時々思い立ったように、クレイジーホースに騎乗して、その辺を走り回って遊んだり、旅したりする。そして何かの拍子で雷に打たれ凶暴な轟音軍団へと変身しあたりを蹴散らして走り去っていき、ちょっとすると何もいわなくても戻ってくる。
あの頃はまだ轟音軍団は組織化されていなかったけれど、その自由な変わり身の早さと節操のなさが、10代の頃の俺の評価だったわけだ。ニール・ヤングはいい迷惑だろうけどね。
それでも、端正なファーストアルバムのあとセカンドアルバムが、クレイジーホース名義になり、エレクトリックギターばりばりの突発性変身を遂げたかと思ったら、サードアルバムがアコースティックな名盤【After the Gold Rush】。パラノイアか?と思ったものだ。
その後もアコースティックギター中心のアルバムや、カントリーだったりアメリカ演歌路線の合間に、【Weld】なんていう轟音洪水アルバムを出したりするという、まったくもって読めないおっさんであるわけで、俺の感想はそんなに間違いではないと思う。
で10代の頃から、今まで、何度かすっかり忘れていたこともあったけれど、ほとんどのアルバムを聴いてきたおれが最近改めてニールヤングがなぜ好きなのか自問自答してみた。
いろいろいいわけじみた言葉を長々と羅列することは可能だけれど、ひとことでいってしまえば、「クレージホースとやったアルバムがかなり好きだよー」。
いや、もちろん【After the Gold Rush】やら【Harvest】、【Tonight the night】など初期のアコースティックな名盤は文句はないし死ぬほど聴いた。確かに聴いた。このあたりのアルバムの曲はコピーもしてつまびいたりもした。
しかし、やはり俺にとってのニールヤングの凄みは、クレージーホースと対峙した時に沸点に達するんじゃなかろうかというのが結論だ。
名曲「See the sky about rain」が入った【On the Beach】のあとに再び突発的に登場した【ZUMA】が次の轟音系。「Coltes the Killer」には痺れた。妙ちくりんなジャケットにも頭が真っ白になった。
おめえはパンクじじいか?と疑問をもたげた【Rust Never Sleeps】や【Weld】なんざセックス・ピストルズより強烈だった。びっくりしたよ。なんだ?このカナダ人?本当にそう思った。
最近では、架空の町での出来事を唄った【Greendale】。同梱DVDの映像もかっこいいし、とくに一曲目の「Falling from above」はフェヴァリットトラック。ツブレタ、ギターサウンドと、煤けたドラムの音がいかしてる。今風にいえばヤバイというやつか。
ことかようにクレイジーホースと作り上げたロックアルバム、今の言葉でいうとオルタナティブな音楽が俺のニールヤング好きのかなりな面をしめていることを再確認したのだ。
今年、フィルモア・イーストでのかつてのライブを収録した歪んだ音のアルバムを出したりしたが、この10月、市場に登場したのが【Chrome Dreams II】。【Chrome Dreams】と聞いたら黙っていられない。
かつてお蔵になったwithクレージーホースとのアルバム【Chrome Dreams】の次ってことだ。【Chrome Dreams】自体は発売されなかったけれど、【American Stars N Bars】というアルバムのB面として1988年にリリースされている。Weldでも暴発している名曲「Like A Hurricane」なども入って今でも聴き応えがあるアルバムじゃないかと思ったりしている。
そんなこんなで今回の【Chrome Dreams II】。【American Stars N Bars】 当時の3曲+新曲7曲を加えたのがこのアルバムだ。
全曲爺さん系オルタナティブ全開で必聴決定だ。中でもついに日の目をみた幻の名曲といわれる「Ordinary People」 。ローリグストーン誌のWebでも視聴することが出来たが、こいつはいけてた。
とにかくこのアルバムはロックとかオルタナティブが好物の人間なら買ってみて失敗したと思うことはまずないだろう。ついでに、当然だが「American Stars N Bars」 も聴いてないなら買いたい。
そしてやはり轟音系といえば【Weld】と続編である【Arc】というライブアルバム。とくに後者は30数分ぶっつづけ。あきれた。確か、おれの場合、【Weld】を買ったら【Arc】付だったように思うが記憶違いだろうか? もらったのかもしれない。
まあ、それはどうでもいいとして、とにかく、今回のアルバム。グランジ系へもつながるニールヤング&クレージーホースの面目躍如。オルタナティブ全開のロックだ。【Weld】の爆走まではいかないが、よりタイトに緻密に音楽の彼岸をいったりきたりしている。
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