In My Own Timeが発売されていたとは
Karen DaltonのIN MY OWN TIMEがCDで復刻発売されていたなんて知らなかった。
いま20代半ばから30代の方で、ご両親のどちらかが相当なアメリカの音楽(とくにシンガーソングライラー系)好きだったりしたならば、「カレン・ダルトンのインマイオウンタイムって聴いたことある?」とたずねてみていただきたい。
カレンダルトンを知らなければそれまでだけれど、もしも知っていたなら…。そうもしも、知っていたなら、このアルバムについての経緯が原稿用紙100枚分くらいは出てくるかと思う。その他、購入できた、もしくはできなかったという語るも涙の物語なども付録としてついてくるかもしれない。
それだけ、あの頃、このアルバムはアメリカ音楽ファンの間では伝説化されていたということになる。
さて、わたしの場合。
もちろん当時はビニール盤(アナログ)だったわけだけれど、このアルバムの存在を知ったときにはすでに輸入盤専門店では売り切れ。あちらこちらでアルバムの素晴らしさを耳にするわたしはどうしてもどうしてもほしくてほしくてしょうがなくなっていた。
当時はインターネットはなく、FAXさえ夢のまた夢。郵便で海外からモノを買っていた時代。結局のところその思いは学生時代の忙しさに埋没して一年ほどが過ぎていった。
年末のある日、当時新宿にあった某輸入レコード屋さんが年末バーゲンを行うというので友達たちと勇んで駆けつけたわたし。それなりのアルバムを手にしてほくそえんでいたそのときだった。友達が近寄ってきて一枚のアルバムをぼくに見せた。友達は、茶色のあのジャケットを手にしていたのだった「あった…。カット盤だけど…」。ぼくたちは狂気した。あった。こんなところに。
その日わたしたちはもう2枚ほどカット盤で入手困難といわれているアルバムを手にした。そのアルバムはまたの機会に譲るけれど、この時の衝撃は、噂に聞いていたカット盤の存在だった。ジャケットの一部に切り込みが入れられていて安い値段がつけられているというのがカット盤なのだが、時としてその日のようにとんでもないアルバムがとんでもない値段で売られたりすることがあったのだ。閑話休題。
帰ってから友達の家でこのレコードに針を落とした。名盤といわれ、噂が噂を呼んでいた理由はよくわかった。よいアルバムだった。
去年発売されていたのを知らなくて今年になって注文し今日やっと届いたこのCD盤になっても、その印象は、ちょっとセピアがかっただけで基本的な色合いは残っている。名盤であることは間違いないとおもう。
ただ、AMAZONの紹介などではフォークの名盤という存在になっているようだが、これはあくまで、あの時代のザ・バンドやその周辺の一連のシンガーソングライター系のミュージシャンたちが築き上げたダウン・トゥー・アースなアメリカンロックの流れの中で語るべきものだと思う。
いや、ここまで、書いて、アメリカ嫌いのわたしだけれど、本当にアメリカにはお世話になってきているのだなあ(笑)と改めて思ったりもする。ただ、わたしのお世話になったアメリカは、こちらからかなりの時間とお金をかけてアプローチしなければ正体を現してくれなかったアメリカではあるのだけれど。
そんなアメリカのひとつがこのアルバムだと断言させてもらいたい。
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