Euro2006?
▼実はこの大会はWC2006ではなく、Euro2006だったようだ。
▼最初からそうならそういってくれればよかったのに…。
▼いってくれれば、広告代理店の動きやFIFAの金脈図やフットボールマフィアの世界戦略など考えず、いつものように、純粋にフットボール的かどうかだけを考えて、観戦していたはずのわたくしである。
▼とにかく、そういうことなので、Euroとしては4チームしか出場しないという寂しい大会であるが(笑)、ここで考えてみるのもあながち無駄なことでもないのかもしれない。
▼しかしだ。たった4チームであっても今後の予想は難しい。それがEuroだ。ひとつひとつ見ていこう。
▼ドイッチラント
▼開催国。
▼開催国には開催国としての責務がある。
▼それはベスト4だ。
▼日韓のときは韓国がアレを何度も駆使して目的を達した。南米、欧州以外の開催国がベスト4じゃなくても誰もなんともいわないのに、である。しかしドイッチラントはアレをしなくても、勝つことはなくても負けることはほぼないチームである。
▼そのため、ここまで来たのも開催国であるということとともに、負けることはないメンタリティによるものといってよい。
▼そして国内問題である旧東ドイツとの融合も、バラック、クローゼあたりが象徴として機能したことで、よいほうに流れ出した。
▼実力があれば東ドイツ出身であっても英雄になれる、と。ということで、もうドイッチラントは、そのミッションは達成したことになる。ベスト4というミッションを。
▼ここで負けても3位決定戦には注目が集まる。開催国だから。勝ってもいい。決勝だから。
▼つまり純粋にチーム力の勝負となると。そういった観点から見れば、選手としては一流だったが監督としてははっきりいって一流ではないクリンスマンだ。国内に敵も多い。また、ここでは関係ないが元インテルだ。
▼イタリア
▼イタリア人の最大の価値は何か?。
▼それは、間違いなく「快楽」だ。
▼単に「快楽」と聞いて、楽しいこと、喜ばしいこと、裕福なことを想像するようでは、モノの見方を分かるまでまだ最低20年くらいかかると思ってほしい。
▼とりあえず、日本語に直せば「『き・も・ち・い・い』ことがすべて」、ということである。
▼ありとあらゆるこの世にある価値に優先する価値観だ。
▼つまり、金、異性、権力、そういった一般に価値がありそうなものも、「気持ちいいならば、価値がある」そして、「気持ちよくなければ価値がない」。
▼たとえば、フツウに考えると痛くてしょうがない、ムチで叩かれたり、熱くてイヤだと思われるロウソクのロウをたらされて喜悦の淵に佇める人ならば言っていることはお分りになるかと思う。
▼また、ランナーズハイなどもそのひとつ。苦しさの向こうに見える快楽は何ものにもかえがたいという人たちはこの世の中にかなりの数がいる。
▼そして快楽に究極の美を見出す。イタリアが美の国といわれるのは、あたりまえのことなのだ。
▼実際、資本主義を忌避する共産党がいまだに強い資本主義国家はイタリアである。論理的に矛盾しているが気持ちいいのだ資本主義国において共産党員であることが。
▼同性愛者やバイセクシャルもフツウに多い。カトリック的タブーであればあるほど快楽は大きくなる。
▼そして、この「快楽」のひとつに「家族」がある。それは地域に通じ、国家へ通じ、最終的に世界に通じる「家族」だ。
▼ところでイタリア人はおそらく欧州においても最も個人主義的な人間たちかと思う。
▼それは当然のことで、「快楽」というものはつとめて個人的な感覚なのだからあたりまえのことといえる。
▼しかし、その個人の快楽のために、家族は非常に大切なのである。
▼考えてみよう。
▼食の快楽ためにはマンマのパスタは欠かせない。異性の値踏みは地域の大人の指導がなければならない(それが映画のテーマになる)。仕事や公的なめんどくさいものは「家族」が解決する。
▼そしてなおかつ個人の快楽にとって一番邪魔な存在も家族である。個人の快楽に矛盾した存在である家族。これほど、快楽に近いものがあろうか。いや、断言するが、ない。
▼彼らの個人主義的快楽への道具、手段として、そして快楽の目的そのものとして「家族」は非常に大切なのである。
▼ふう、前提が長いな。知っている人には釈迦に説法でしたが、本題です。
▼今回、イタリアはセリエAのシステマモッジ疑惑で選手の未来に不安が垂れ込めている。
▼逆境だ。
▼こうなると、個人主義のイタリア人は「家族化」する。ひとつになる。ファミリーになって力をあわせる。チームになる。そしてひとつになった快楽もむさぼる。
▼また、個々の快楽原則からしても、厳しい逆境であればあるほど、結果が出た時の快楽は何百倍にもなる。
▼エントリピーを溜め込むことで蕩尽の快楽に酔えるという人の感覚行動は経済人類学的にも証明されている。
▼イタリア人はそれを身体で知っている。
▼美しいものを手に入れるには、努力が必要なこと。だからこそ職人は尊敬され社会的地位が高いのだ。
▼つまり、今回のアッズーリは、マイナス100の逆境から這い上がらなければならない、不幸に苛まれた職人的状況にあったのだ。そのうえ、ここにきて、ペッソットの自殺未遂だ。
▼「家族」に不幸が降りかかった。
▼個人的快楽にとって大切なシステムである家族が再び不幸に見舞われたのだ。これをクリアしたその先には美しい世界が待つ。それを知っているイタリア人が立ち上がらないわけがない。
▼イタリア国歌の最後のフレーズは「俺たちは死ぬ準備は出来ている」だ。
▼まさに、今のアッズーリはこの気持ちだろう。
▼死こそ(=死ぬ気でのミッション成就)が最高の快楽であると感づいたのだ。痛みという快楽をむさぼる幸せ。
▼最も、再来週には忘れているのがイタリア人でもあるのだけれど(笑)。
▼ドイッチラント対イタリア
▼ということで、モチベーションはイタリアだ。間違いない。実力的にもイタリアが上とみる。
▼ところでイタリアに次々と起こる不幸がイタリア人にはモチベーションになり、イタリア敗退に対しては逆効果であるということを知らなかったのだろうか?これらを演出した輩は。
▼もしも知っていたなら間違いなくイタリア博愛主義者かと思う。となると、ベルルスコーニから政権を奪った方々か?わたくしごときにはよくわからんけれど。
▼ポルトガル
▼日韓の時もEuro2004のときもポルトガルの追っかけチケットを買っていたわたくしである。個人的には、4年前にこれを見たかったんだよなあ、と思わせる結果になってきた。
▼おまけにFIGOは現在インテルの選手である。わたくしが応援しないわけにはいかないのだ。クリスチアーノ・ロナウドもついに覚醒した。フィーゴを受け継ぐのは彼だ。
▼という前提ではあるのだが、ここまでのポルトガルの試合を見てきた賢明な方にはお分かりかと思うけれど、このチームの肝は、コスティーニャであることが思い知らされる。日本代表の肝が福西であるように、だ。
▼彼がいないイングランド戦は、「8年ぶりの愚か者」がいなければ危なかった。
▼もちろん、ミゲールの超人的なプレーが助けていたということもあるが、やはりポルトガルにとってコスティーニャは絶対の存在だ。その彼が次戦は帰ってくる。これが一番大きい。
▼ジダンとビエイラとマケレレという宇宙人三人に対抗できるポルトガル人は彼だけ。ここにマニーシェが加わり、やはり戻ってくるデコがフランスのバイタルエリアを撹乱することでポルトガルは勝機を見出すことになるだろう。
▼また、忘れてはいけないのは、キーパーのリカルドだ。背は大きくないし顔はでかいしでキーパーらしくないけれど、キーパーに大切な要素はすべて備えている良い選手だ。
▼日本のゴールキーパーで一番は楢崎だが、その楢崎が参考にすべきは彼だ。
▼そして、カルバーリョ。マニーシェととにもポルトのCL優勝時の選手で今はその時の監督モウリーニョにひっぱられチェルシーにおいて、その堅守の支えとなっている。
▼一般に攻撃陣ばかりに注目が向きがちだが、ポルトガルが結果を出しはじめたEuro2004から、その守備力は欧州でも屈指であることを忘れてはならない。
▼これらはフェリペの指導によるものである。イングランドは彼に断られてしまったが、これでイングランドは暗澹たる未来に涙することになるわけだ。
▼時間帯における痛がり方まで指導するというフェリペだ。
▼フランス
▼たまたま日曜日の深夜テレビ朝日系列のやべっちFCという番組を見ていたら、堀池が、なんとかの巧とかいうコーナーで、ビエイラとマケレレに注目していた。やるじゃないか、堀池。そのとおりだ。
▼わたくしは、この大会はビエイラだと何度か書いた。それは具体的でもあり象徴的でもあった。つまり、当然、そのパートナーであるマケレレの存在も大切であるわけだ。
▼だいたいレアルマドリーはマケレレとカンビアッソとサムエルを残しておけばこの3年間でトロフィーを最低3つくらいは獲っていたはずだ。そういったマケレレもフランスにとっての肝腎要。
▼そして、ユベントスでエメルソン(ちなみに、ブラジウのフランス戦での敗因はロナウドへの固執だが、実はそれ以上に大きな理由はエメルソンの欠場だった)と中盤の底に君臨するビエイラだ。
▼マケレレとの間で組織的かつスムーズに行われる献身的な守備を前提としての攻めあがり。対人の強さ。超一流だ。
▼関係ないが、フットボールのシステムを人体にたとえたらまさにビエイラやマケレレの位置が「肝腎」ですなあ。
▼とにかく、このふたりがいるからこそ、ジダンにスペースが与えられる。ジダンは3秒あれば宇宙を切り裂く選手だ。
▼ジダンのためにビエイラとマケレレは動いているのだ。
▼フランスはビエイラとマケレレの出来にすべてがかかっている。
▼またその彼らが生かそうとしているジダンにとって、今大会は選手として最後。負け即引退の大会である。ジダンとともにカップをというモチベーションがフランスにはある。
▼ジダンドーピングである。
▼ポルトガル対フランス
▼両国の戦闘力を考えた場合、ポルトガルが落ちる。
▼そのうえジダンドーピングで燃えた中盤の壁がフランスには二人。
▼さてどうしたものか。ブラジウはエメルソンの不在を払拭できず、かつ、ホナウドの存在が前線のスペースを消し、加えて、これまでの楽な試合のつけが回って敗れた(おそらくだが日本がもっと強くて結果を出していれば、そしてホナウドに2点もあげなければブラジウは真剣になってフランスにも勝っていたはずだ)。
▼しかしながらポルトガルにはそこまでの隙はない。
▼それでもポルトガルにとっては厳しい戦いだ。
▼対戦成績もフランスが圧勝だ。しかし、この対戦成績というのもポルトガル低迷期の結果であって一概に参考にしていいか疑問が残る。
▼では、ブラジウと確実に違うポルトガルのポイントはどこか。それは両翼の攻撃力ではないか。クリスチャーノ・ロナウドとフィーゴの両翼はフランスを恐怖に陥れる確率は高い。
▼へたするとビエイラ、マケレレがサイドにひきだされ、空いた真中をデコに使われるなんてことも想像できる。フィーゴの怪我が大丈夫かということもあるが、なんとなくなのだが、フェリペの三味線くさいきもする。
▼両翼が折られたなら万事休するが、たとえばフィーゴからクリスチャーノロナウドへサイドチェンジ。ロナウドがドリブルで切り込みシュート。テュラムがクリア。それが、マニーシェの前に落ち、ダイレクトでシュート。ゴール?
▼またより大きな差は監督の力量。ドメネクとフェリペのどちらが優秀かは猿でもわかる。なので、わたくしでもわかる。
▼結果だ。期待をこめてポルトガル。コスティーニャがジダンを抑える。ポルトガルのチーム全員による中盤の運動量でフランスのビエイラ&マケレレ二人を翻弄する。
▼などと思っているわたしなのでしたが、早い話、贔屓のチームに勝ってねということでしかありません(苦笑)。
▼も、ひとついえば、フットボールはモチベーションと守備的MFが最初の一歩だな、と思えましたよ。あらためてね。
▼あ、それと、日本代表担当代理店の担当者の方へ。
▼現代において代理店はメディアに関わるモノコトには絶対に必要です。代理店の利益=国民の利益(フットボール者なら日本代表の勝利)となる必要があります。
▼そう考えて、川淵さんのウィークポイントを某メディアに流したようですが、これが、いわゆる家庭配達新聞や高学歴の愛国主義の方々も読む雑誌にフツウに記事として載ることを希望します。
▼目的は川淵さんの更迭ですね(笑)。
▼それができれば、現在の日本代表担当代理店様のこれからは最低4年間は安泰ですので。
▼老婆心ながら日本のフットボールファンを舐めると痛い目に会うかと。
▼いろいろ問題があろうと、日本が勝利し、日本のフットボールのためになるなら、社会常識や人間的良心を逸脱しようと、日本のフットボールにおける勝利が優先するのが日本のフットボールファンであることを、お忘れなく(笑)。
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