闘牛の角を研ぐ
▼時間ができたので知人の牛小屋へ。いろいろな話をしながら牛の世話を手伝う。
▼あいかわらず、黒い「彼」は偉そうな態度でエサを所望する。まさに人間様をアゴでこきつかうクソ生意気な牛かと思う。
▼それでもいろいろな人の話を総合するに、首が長いしコンパクトに見えるにも関わらず体重はすでに1tを超えている。しかも、若いのに落ち着きもあり、すでに熟した牛かと思われるような。これは大物。
▼というのが大方の闘牛好きの評価のようである。
▼一方、パンダ牛の方はまだ若いということもあるが、いまだ、ただただ食欲の固まり。ひたすら食い続ける。
▼すでに肩の高さは黒い「彼」より高いのだけれど、肉はまだついていない。
▼あかりパンダもそうだったがやはりホルスタインと交けたパンダ牛は巨大化する=大食漢という傾向にあるようだ。
▼その食欲をじっと見ていると、なんだか、数ポンドのステーキにかぶりつくアメリカ南部のでかい白いデブを一瞬思い出したり。
▼もちろん、あいつらと違うのはこっちは完全な草食ということだが(笑)。肉骨粉など、ここは無縁の世界でもあるし。牛を共食いさせてどうすんだよ?、アメリカーさんよ。などと思ったり。
▼そんなこんな話をしながら、ひととおり二頭の世話を終え、上の小屋にいる別の牛の世話に向かう。知人の友達などの牛だ。この小屋には三頭いる。
▼すでに大会にも何度か出て人気牛になっている徳之島からやってきた牛の年齢は六歳という話。しかしながら、知人が言うに「どう考えても八歳から九歳」。
▼期待の星の若手牛が一番奥に。飯くれー、飯くれーと吼えている。また、一番手前には昨年、一度大会に出たけれどその後怪我が直りきらずに出場を見合わせている牛。飼い主が外に出していたので、エサをやるために牛小屋へ連れて行く。
▼ところがその牛を牛小屋へ入れ、エサをやろうとしたのだが、なんと、この牛、どこでやってしまったのか、右の角が先端から割れ、角が裂けはじめているではないか。
▼知人がいうに「すぐに直さないとどんどん裂けて角がつかえなくなる」。つまり、闘牛としては使いものにならなくなる。そういうことだ。
▼闘牛にとって角は攻めるための道具であるとともに、相手の攻撃を避けるための防御にも使用される大切な道具。闘牛が、最も、大切にしなければならない「道具」なのだ。
▼その角が裂けかかっている。これは、危機的な状態ということになる。
▼知人は、もう一度、この牛を外に出し、牛を器具で固定。「角を研いで直す」という。
▼牛は嫌がって、顔をあっちこっちへふる。せっかく夕飯が食べられると思ったのに、また外に出され固定され、なんだかしらないが、角をいじられる。いつ終わるかもわからない。ストレスいっぱいといったところ。
▼しかもこの牛、しろうとのわたくしが見ている限りではっきりとはわからないのだけれど右の後ろ足の裏をどうも痛めているように感じるのだった。
▼きっとかなりのストレスをためているのではないだろうか。
▼知人が、いう。
▼「それもって、牛の背中をかいて」。
▼知人はわたくしに丸い鉄でできたぎざぎのある道具を渡して、牛の背中をかけという。とりあえず言われたとおり掻いてみる。
▼「それをやってれば、牛がおとなしくなる」と。
▼そういわれ、とりあえず、その道具で牛の背中を骨に沿って掻いてみるわたくし。しかし、牛はなかなかおとなしくならない。
▼「もっと強く掻いていいから」。
▼そういわれ、親の仇にもここまではというくらい思いっきりガリガリこすると、なんとまあ、本当に牛がおとなしくなった。
▼牛の皮は厚い。
▼ゴリゴリこすっているとホコリのようなものがこそげ落ちてくる。
▼「それ、垢。それで牛の体調をみたりするんだ」。
▼知人が角を研ぎながら解説してくれる。こっちは、右手でガリガリ牛の背中を掻きながら、左手でシャッターを切るという離れ業を何度か。なんとか状況が把握できるような写真はとれたかもしれない。
▼10分もしないうちに、牛の角はきれいになった。良かった良かった。
▼知人にコザまで送ってもらったのだが、帰りぎわ知人にいわれた。
▼「いっておくけど、ほんと闘牛飼わない?」。
▼誘われてしまった。真剣に考えている自分が少しだけ怖い。
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Commenti
いよいよ全島ですね
Scritto da: socio napoletano | giovedì 11 maggio 2006 a 20:40