名護郊外を散歩
▼屋部の福木並木を散歩していたら、下校時間、屋部小の女の子三人に挨拶をされた。
▼「こんにちわ~」
▼東京、いや那覇、はたまた名護市街でそんな挨拶をする子はほとんどいないけれど、小さな部落ではまだまだ挨拶が日常の風景に残る。
▼よい習慣かと思う。
▼もちろん、本土の都会で、知らない人に会ったら手を伸ばした二倍の距離を常にとるようにと教えていることもしっている。
▼それはすでに本土では必要なことなのだ。そういう国になった。
▼それでも沖縄北部の部落ではまだ異人を異人として迎える島国の習慣が残っているように思う。
▼屋部川沿いに出ると宇茂佐側のこんもりした杜の下に公園が。
▼その向こうは古島原(通称プルジマ)。屋部、宇茂佐部落の発祥地。単なる荒地だった。
▼今は区画整備がされて住宅地になっている。
▼ご先祖様が住んでいた土地にまた人が住むことになるわけだ。
▼そんなことを考えると、そのこんもりした杜が、いわゆる古代貝塚跡や中世のグスク跡や聖地のように見えてくる。
▼というか、たぶんそうだったのではないか?
▼川沿いに歩いていって、いかにもな場所がいくつもあったのだが。
▼屋部(やぶ)といえばプーミチャー。
▼屋部の部落に戻ると飼い犬たちに吼えられる。
▼一匹は「遊ぼう、遊ぼう、遊ぼう。退屈だったんだよ。遊ぼう。遊ぼう」
▼興奮している。
▼一匹は屋根の上に上って「おろしてくれよ、おろしてくれよ」
▼喚いている。たぶん脱走するので倉庫の屋根にあげられてしまったのだろう。
▼国道を渡って海側へ歩いていく。
▼すると一軒の家の中で「散歩?。散歩?。散歩行こう、散歩行こう、散歩行こう」
▼とはしゃいでいる犬が一匹。
▼もちろん人のうちの犬なので散歩に連れては行けない。
▼海岸に出てしばらくぼんやりしていると、「散歩につれてけ」と言っていた犬が飼い主に連れられてやってきた。
▼わたくしに近づいてきて犬いわく
▼「けち」
▼そう言って、飼い主と歩いていってしまった。



