ソニー仙台 1-2 佐川東京SC @仙台スタジアム
本当はぶなの原生林かFC琉球の試合を見に美浜に行こうかと思っていたのだけれど、なぜか仙台に来てしまった。もちろん宮城県の仙台であります。
新しくなる前の仙台空港に来たことはあるけれど、降り立ってみると、なんというか、小さくした関空といった風情のターミナル。那覇空港や羽田の第二ターミナルもそうだが新空港というのはあまり特徴がないもんだ、などと思いに一瞬だけふけるおれ。
仙台駅行きのバスにはたくさん人が並んでいたものの、乗ろうとしている“泉中央”行き、そう仙台空港から、仙台スタジアムのある“泉中央”駅まで直通のバスがあるのでした。こっちの方の客はおれ一人。
バスは空港を出て高速にのり、仙台市街地の東側をぬけ、利府まで行き、片側一車線の高速(?)道路に入り、なんとかという山奥の終点で一般道へ。バスの高速代は1600円。こっちの運賃は1000円。いいのか?
高速終点手前の左側には、3年ほど前、日本がトルコに負けた宮城スタジアムが見える。こんなところにみんな行ったのですか。いやはや、ほんと、ごくろうさまです。確かに静岡スタジアムの比ではないド田舎。そりゃ負ける。勝てるわけがない。卒倒しそうになったが、別にここで下りるわけではないので気を取り直すのでした。
と、思ったのもつかのま、バスはどんどん山奥へと入っていく。携帯の電波も届かなくなった。おれはどこへいくんだろう。不安になるほどの山奥である。外は暗くなり土砂降りの雨がバスの窓を叩きつける。なんということでしょう。そんな不安な気持ちのまま走っていくと、以前見たことがある一般道に出る。雨もやんできた。というこで空港から50分で泉中央駅に到着。
到着とともに起きてから何も食べていないことに気がつき、食事をとることにする。本当は仙台に来たら魚を食うのが人として当然の行為なのだけれど、このへんの食い物屋はあまり知らない。そのため、本意ではないが駅の上にある喜助で牛タン定食。うん、まあ、普通に食えるんですけど、これだと、京急川崎近くにある牛タン屋でもいいんじゃないか?と再確認。やはり仙台は海の幸の方がよいと思われる。
1500円(値上げしたな)払って、ビルを出ると外は土砂降りである。傘を持ってきていなかったので1階に下りて、しばし雨宿り。すると昔、昔、20年近く前、一緒にJSL時代の“しょうがないんだけれど頭を使わない「サッカー」”を真剣に見ていた頃の知人にばったりでくわす。いわゆる国家公務員のキャリアなんですが、2年ほど前から仙台の某役所に出向で来ているとか。今日はやはりソニー仙台対佐川東京を見に来たとのこと。傘を持っていたので入れてもらって、スタジアムまで走り、チケットを買って、入場。試合はすでにはじまっていた。そのままソニー側で観戦開始。
佐川東京は今日はというかいつものように、3バックで、中盤は右に公平。左に戸田。中に、山根と熊谷。山本がちょっと下がり目で、堀と大久保のFW。
ここまで負けがこんでいたのがうそのように今日は守備がよい。前線からのプレス。守る時は両ウイングが下がって5バックぎみになる固さもあった。池田が湘南へ行ってしまったわけだが、災い転じて福となす、とでも言おうか、公平と戸田、とくに左のウイングに入った戸田の守備意識の高さ、前線への飛び出し、真中のプレーヤーとの連携など安心してみていられた。相手の両サイドのケアできているし。そして、なにより山根、熊谷というボランチふたりの力が傑出している。結局のところ、ちょっとしたミスを除いて前半は相手にはほとんど何もさせていない印象。
一方攻めの方は、大久保の頭へのロングボールがまず基本線。そこからはたいたり落としたり、こぼれたり、負けたりしながら、堀と山本が走り回り、サイドに流れれば、公平、戸田が何度も深くえぐり、山本がうらを狙いまくる。山本は攻撃に守備に、スペースへと縦横無尽の動きであった。
前半20分すぎ、良い形を何度かみせていた佐川東京に先取点が入る。熊谷から逆サイドをかけあがった戸田へクロス。それを戸田が左足でダイレクトにグラウンダーでゴール前へ。走りこんだ大久保がスルー。そのボールを堀が押し込み先制。良いのではないでしょうか。しかしこの時、堀がポストに激突。立ち上がってはいたが、結局竹谷に交代。竹谷がトップにはりぎみで大久保と山本がシャドー気味か。その後も佐川東京ペースで前半が終わる。
日差しが戻ってきた後半、仙台がサイドバックを高くあげ2バック状態で攻めにかかる。佐川の両ウイングはその勢いもあり押し込まれ、なかなか前へ出て行くことができない。ソニー側はゴール前で何度かチャンスを迎えるが、なんとか佐川がしのいでいる。今、思えば、今日は何度かオフサイドトラップをかけていたあたり最終ラインの連携もうまくいっていたといえるかと。このような状態なので、見ている限り、ソニー側のバックラインの両サイドが広くあいている。あのへん狙いどころだなあと思っていたおれ。全般的に押し込むソニー。それに耐えカウンター気味の攻撃を繰り出す佐川東京。
ソニーの攻撃が続く中、均衡を破ったのは山本だった。30分、中盤でのこぼれ玉を取ってドリブル開始。あわせて竹谷と大久保がスペースへと流れ始める。どちらかにパスを出すタイミングを計っているように見えた山本だが、そのままペナルティエリア内まで進入。ソニーの24番がうしろから山本を倒してしまいレッド。PK獲得である。
逆サイドだったのではっきりはわからなかったけれど、おれとしては「レッドまではどうかなあ?」というプレーではあったけれどとにかくPK。熊谷が左隅になんなく決めて0-2。まだ時間があるものの、勝利を手にする確率は今日の出来ならば70パーセントというところか?。
ソニー側の観客の中には「審判、てめえ、しっかりやれ」「何やってんのよー、審判」などという罵声とともに、「とにかく点を取れ!」といった声が聞こえてくる。そんな声にこたえたのかどうか、ますます前がかりになるソニー。8番のFWをいれ3トップぎみに。佐川東京はウイングバックの二人も守備に奔走する展開。
40分。左サイドでの攻防から一瞬のすきをつきコーナー近くから8番がボールを持ち左足でクロス。これがふわっとゴール前にあがり佐野の手をかすめそのままゴール。ソニー応援団大騒ぎである。1-2。残り時間は5分。
ここからソニーはゴール前にハイボールをあげるセオリー通りの展開になるわけですが、この日、ほぼ空中戦を制圧していた佐川東京守備陣によってソニー側に転がったこぼれ玉もクリアされてしまう。一方佐川東京の攻めはシュートで終わることと、ボールキープに終始。大久保が何度もコーナーフラッグ付近でボールを止めて粘る。相手陣で得たフリーキックもまずはボールキープ。隙をみてシュート。しっかりとした守備体制を前提とした佐川東京の時間になっていく。ほぼ勝ちが見えた。
ロスタイムは2分だったが、予定通り佐川東京が逃げ切り、勝利。前半負けがこんだ分、手放しで喜ぶには早いけれど、今後に期待がもてる出来であった。知人も「なんでこんなにいいチームがここまで勝てないんだろうね?」と。
今日の佐川をみていると守備陣は去年よりもしっかりしているように見えた。実際、これまでの負けや引き分けはちょっとしたミスや判定によるものもあったわけですから。また、池田がいなくなった今、両ウイングのクロスはひとつの武器だが、これが今日はかなりの出来だった。これに加え大久保、竹谷のツインタワーに、山本のドリブルや裏への飛び出し。とりあえず守備が安定し、攻めのパターンが3つ以上できてきたということは、十分に上位争いができるということ。それもこれもボランチ位置の山根、熊谷が良かったということがいえるわけだけれど。
終了のホイッスルが鳴ると同時に、羽田から那覇へ飛ぶために、知人に別れをつげ、地下鉄に乗り、仙台で一番早く東京につく新幹線にのる。午後6時に東京着。新幹線はやっぱり疲れるなあというのがおれの印象なのでしたよ。