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martedì 19 aprile 2005

白百合再発見

前夜3時間ぐらいしか寝られずに、ふらふらになりながら、石垣島に到着。空港から滑走路横の農道を汗だくだくになってフルスト原遺跡まで数キロ、その規模と沖縄本島のグスクとの類似点および相違点に感動しながら数キロ、再び汗だくだくになって八重山闘牛場まで数キロ。そのこじんまりとした小ささを沖縄本島や徳之島の闘牛場と比較したり。

すでに午後4時半だが東京なら午後3時前といったあたりの太陽がまだまだ容赦ない。すでに下着まで汗まみれ。靴擦れで足が痛い。タクシーを捕まえてホテルまで行こうかとも思ったが、こうなったら歩いてしまえと離島桟橋そばの美浜にあるホテルまで歩くことにする。途中、宮良殿内によるのも良かろうということで。

殿内は車がすれ違うことができない住宅街の中にたたずんでいる。きれいだったがそれだけだ。もうビールが飲みたい。頼む。暑いんだ。ビールをあまり飲まないぼくだが、ビールだ。そう思って酒屋を探して港への道を下っていく。

すると右手にカマボコ屋かさしみ屋みたいな風情の赤瓦の間口の狭い家の軒先に“池原酒造所”という字が書いてある。

池原酒造の泡盛を専門に売っている店なのかと思ったが、よくよく覗きこんでみると、どうやら本当に住宅街のこの場所で泡盛を作っている正真正銘の池原酒造所なのだった。

池原酒造といえば「白百合」だ。華麗な名前のイメージから爽やかな今風の泡盛を想像したあなたは甘い。これはぼくにとって25年ほど前の数年間、夏の間、沖縄のド田舎に調査で滞在していた学生時代に飲んだあの頃の泡盛を彷彿させる独特の味と香り(いや匂い)が強烈な泡盛なのだ。

正直、ぼくは苦手だった。味わいは違うのだけれどその当時の泡盛によってもたらされた暗い(今となっては懐かしくもあるけれど)思い出と重なるから。

そのため、長い間口にしていなかったのだけれど、たまたま酒造所の前を通ってしまった。今夜は「八重仙」でも「請福」でもなく「白百合」の三合瓶と決まった。

そして夜、近くの安売り店で「白百合」三合瓶を買い、スーパーでお惣菜と水を調達。部屋にもどりいよいよ風をあける。そしてひとくち。

「うわ!」

やはり白百合はツワモノだ。なんだろうこの独特の香りは。黴臭さといってもいい香り。一瞬、水かホテルのコップが黴ているのではないか?と思うほどだ。甕とあの土地、あの家屋の持つ香りなのだろうか。

世田谷あたりで焼け残った大正時代に建てられた家の五右衛門風呂の夏の夕方の匂いといったらわかるだろうか(わからん)。とにかくそんなかんじの匂いが鼻腔をかけぬける。やはり苦手かもしれない。

しかし、ぼくも十分にオトナになったのか、少々我慢しながら飲み進めるうちに、あ、おいしいと思える瞬間が増えてきたのだった。三合瓶380円と安かったのでもったいないと思ったわけではない。お年寄りのご夫婦ふたりだけでこの泡盛を作っているということに敬意を表したわけでもない。石垣のネトッとしたこの夜の空気にふさわしい。その黴臭さの後にやってくる芳醇な味わいがぼくが分かるようになっていたのだろうか。

子供のころ山羊のチーズは食べられなかったけれど、ドイツにいた26年前、二十歳のころ食べられるようになった。クサヤは30歳を過ぎて食べられるようになった。40歳を過ぎてフィリピンのバロット(途中まで育ったアヒルの卵)をおいしいと思えるようになった。歳をとるというのはそういうことなのかもしれない。

ということで、三合瓶は一晩であいてしまった。ちょっとおなかがすいたので、300円の八重山そばを食べてきた。

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Commenti

ご無沙汰しております。

自分は二十五歳を過ぎていろんな嗜好が急変しました。何ででしょうか。
甘酒なんか現場仕事中に呑めなかったんですけどねぇ。
逆にコーラなんて一口で吐いちゃうようになりました。
あげれば、きりがないのですが・・・。

Scritto da: socio napoletano | giovedì 21 aprile 2005 a 18:32

女性は子供を産むと嗜好が変わるなんていいますね。
過去ふたりの妻も確かにそうでした。

男にもそんなのがあるのでしょうか。よくわかりませんが。

嗜好が変わるといえば子供の頃塊の肉が嫌いでした。ハンバーグや
肉団子は好きだったけれど、基本的には魚と卵。給食の肉はすべて
残してました。

肉の塊が食べられるようになったのはやっぱり20歳の頃のミュンヘ
ンで。ほんとにおいしいなあと思うようになったのはここ5年くらい。
40歳過ぎてから。

コーラについては子供の頃から飲まないのでよくわかりません。
あれを飲むのは、テレビ的お笑いのネタだと思ってます(笑)。

Scritto da: nessuno | giovedì 21 aprile 2005 a 19:02

白百合の記事面白く読みました。実は私も昨年から白百合にはまった一人です。三合瓶を1本我慢して飲んだら2本目から白百合の美味さにに目覚めました。その甲斐あって、他の泡盛を飲むとその泡盛の個性さえ知覚できるようになりました。今では白百合の香りが私にとっては好きな女性からほのかに香る香水の様に感じます。私も昨年夏、石垣の池原酒造所を訪ね、工場を見学させてもらいました。白百合を一口含んだ際に鼻腔を駆け抜けるあの香りが工場中に充満しておりなぜか安堵感を覚えました。

Scritto da: | giovedì 31 gennaio 2008 a 11:50

コメント遅くなりました。

おっしゃることまさにわかります。泡盛がライトになっていく昨今、白百合って本当に独特の味わいがありますね。

Scritto da: nessuno | lunedì 11 febbraio 2008 a 09:43

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